約30年ぶりの海外旅行──憧れのイタリア&フランスに添乗員同行ツアーで臨んだものの、久しぶりの海外旅行では意外な落とし穴が待っています。本記事では私の体験談をもとに、同じ失敗を防ぐための対処法を具体的に紹介します。海外旅行前に必読です。
目次
約30年ぶりに海外ツアーを選んだ理由
- なぜ30年ぶりになったのか
私の退職記念に海外旅行に行こうと考えたのがツアー参加のきっかけです。子供達が全員社会人になるまでは気持ちの面でも金銭面でも余裕がなく、気づくと約30年ぶりとなっていました。 - イタリア&フランスを選んだ決め手
ヨーロッパに行ったことがなく憧れていた時に「イタリア・スペイン・フランス旅行説明会」に参加。「初めてならイタリア、2回目はスペイン、3回目はフランスがお勧め」と聞き、イタリアで調べていたら「イタリアとフランスのいいとこどりコース」を発見。海外に何度も行くのは難しく、費用はほぼ同じなので「モンサンミッシェルも行きたい!」が決め手に。 - JTB添乗員同行ツアーを選んだ背景
添乗員同行ツアーを選んだのは、英語圏でない国の観光地を自力で巡る自信がなく、サポートしてもらえる快適な旅を期待したため。旅行会社は4社を比較した結果、“トラブル対応の安心感”と“希望のコース設定”があったJTBを選択。 - 約30ぶりで昔と変わったこと
旅行情報は書籍で調べるのが当たり前だったが、今はYouTubeやブログから多くの情報を入手でき、日本語自動翻訳機能を使えばお店の予約も簡単にできました。スマホとキャッシュレスが当たり前になったようにツールの活用は必須に。
海外旅行で実際にあった失敗とその対策(荷物編・移動編・文化編)
持ち物検査で日焼け止めを没収された(荷物編①)
- 失敗談:国際線の液体持ち込みルールを理解しておらず、110g入りの日焼け止めクリームを機内持ち込み荷物に入れて、検査場で没収されました。到着翌日に必要だったため「ロストバゲージ(※1)」に備えて前夜に慌てて持ち込みに追加して万全のはずが、旅行初日からがっくりする結果に。
- 対策:エールフランスの場合、「100ml以下の容器に入れ、1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋1つにまとめる」必要があります。“液体持ち込みルール”は航空会社ごとに異なるので注意が必要です。準備の早い段階で100ml以下のものを購入するか小分けボトルに詰め替えておくと安心です。羽田空港第三ターミナル等では、出国審査・保安検査後に薬局があり買い直し可能です。
パリでビールが買えず汗だくに(文化編①)
- 失敗談:ローマではホテル近くのスーパーで簡単にワインやビールが買えたため、パリでも同じ感覚で夜に探し歩きました。時間が遅くなり添乗員に教えてもらったスーパーが閉店していたこともあり、駅や商店街を30分以上歩いても見つからず、風呂上がりの一杯はあきらめて汗だくで帰りました。
- 対策:アルコールは国や都市ごとに販売ルールが異なります。事前に購入できる場所を調べておいたり、到着時にホテルや添乗員さんに購入できる場所だけでなく時間もあわせて確認しておけば、余計な疲れを防げます。また、缶ビールは購入できなくても、カフェによっては紙コップでのテイクアウトが可能です。
ルーブル美術館の売店で勘違い(文化編②)
- 失敗談:ガイドさんから「美術館エリアから一度出ると売店には戻れない」と説明があり、雑貨屋「PYLONES」をエリア内で必死に探しましたが見つけられず、疲れたのでジュースで休憩。集合時間直前にエリア外にあるかもと出てみると少し遠くにお店を発見し、走って行きましたが残り時間はあとわずか。商品を手にとって見比べることもできず、目の前にあった水筒1個を買っただけでした。
- 対策:観光地の売店や人気店は出入り制限があったりするので、ガイドさんの注意事項は「どの店舗のことか」まで確認が必要です。日本の場合、誰に聞いても教えてもらえる期待がありますが、海外の大規模な観光名所の場合、担当外のことを質問してもよい回答がえられないという前提で事前に確認しておくことをお勧めします。
地下鉄を乗り間違えて遅刻(移動編①)
- 失敗談:旅行最終日に予約したエッフェル塔のレストランへの移動に、地下鉄に乗ったものの違う方面行きだと気づいて急遽下車。改札を出て切符売り場を探す余裕も地下鉄で目的地まで行く自信もなく、タクシーに乗るしかないと地上に脱出。レストランには予約時間ギリギリに到着できましたが、予定より1時間遅れたため旅行最後のお土産を買う時間がなくなり、妻は怒りがおさまらず、私は冷や汗が止まりません。
- 対策:
地下鉄利用時は、乗車前に「終点駅名」を必ず確認しましょう。Googleマップは慣れていると安心せず、事前にパリのスタート地から目的地まで地下鉄利用で移動する操作練習をしておくと安心です。検索経路の保存も可能です。
タクシーは「Uberアプリ」が神アプリでした。迷子になって自分の現在地が不明でも呼べますし、待っている間はタクシー位置と配車予定時間が、乗車中は現在位置と到着予定時間が地図上にリアルタイム表示されるので安心です。ぼったくりの心配もありません。パリの地下鉄は路線ごとの運休もあり、タクシー必須の時もあります。アプリ登録にはSMS受信による認証が必要なので日本での事前登録をお勧めします。
フリータイムの移動時間は迷子や交通機関遅延のおそれがあるので、市内でも余裕時間を組み込んでおきましょう。
ポケットWi-Fiの電池切れで深夜0時にタクシーが呼べず絶体絶命(移動編②)
- 失敗談:素晴らしいディナーとエッフェル塔の夜景見学を終えて妻の機嫌が戻った深夜0時に、タクシーを呼ぼうとしたらポケットWi-Fiが電池切れ。モバイルバッテリは1台しかなくスマホに利用済で、スマホの電池も残り少ないため、日本で契約中の携帯電話の海外利用サービスに切り替えすると電池切れになる恐れ。妻のスマホはタクシー配車未設定で使えず、ホテルまで帰るすべがなく大ピンチ。
- 対策:WiFiルーターとスマホの充電は「出発前に100%」を忘れないように。モバイルバッテリーは2台準備し、充電コードを携帯しておくと安心です。日本で契約中の携帯電話サービスをそのまま海外で利用できるサービスがあるので、事前登録しておけばWiFiルーター利用不能時(故障・紛失時も)に備えることができます。配車アプリなどの必要なアプリは電池切れやスマホ紛失等のリスクに備えて同行者も設定しておきましょう。
パリは無料で接続できるWi-Fiスポットが多く、WiFiルーターがなくても利用できる場合があります。
帰国時のスーツケースが10kgオーバー(荷物編②)
- 失敗談:帰国時のチェックイン時にスーツケースが10kgも重量オーバー。原因はお土産のワイン、オリーブオイル、ジャムなどがビン類で数も多かったこと。妻のスーツケースに重量物を全部移し替えてクリアしましたが、手続き中に自動手荷物預け機が一斉停止するトラブルもあってツアーメンバーを長く待たせてしまいました。昨日買えなかったお土産購入の時間がもなくなり、妻からは私が安価なワインをたくさん買ったからだと指摘され、昨日以上に怒りがおさまりません。
- 対策:帰国時はスーツケースのパッキングに意識がいきすぎると、液体や瓶類が重いことを忘れがちです。同行者のスーツケースと重量の分散を図ったり、重さのある本や厚手の衣類などを機内持ち込み手荷物に入れたり、着用して軽くできます。空港に設定されている重量計でセルフチェックしておけば安心です。保安検査後に購入するワインなどの瓶入り液体物は機内手荷物制限の対象外なので、重量が気になる場合は空港での購入も考えてみては。
失敗から学ぶ海外旅行チェックポイント
海外旅行での失敗は、ちょっとした準備不足や文化の違いへの理解不足から起こりがちです。ここでは、私の体験をもとに「事前に確認しておきたいチェックポイント」をまとめました。旅行前の最終確認にぜひご活用ください。
【荷物編】
- クリームを含む液体物は100ml以下に小分けし、透明ジッパー袋にまとめたか
- 複数のモバイルバッテリーや充電ケーブルは持ったか
- スーツケースの重量を出発前・帰国前に測ったか
- 瓶類・液体類の購入時は空港で購入する選択肢も検討したか
【移動編】
- Uberなどの配車アプリを日本で登録し、同行者全員が利用可能か
- 現地の地下鉄路線を事前にアプリで操作練習したか
- 地下鉄乗車の際には「終点駅名」を確認したか
- 移動予定には「迷子・遅延の余裕時間」を組み込んだか
【文化編】
- アルコールや食品の販売ルール、喫煙ルールなどを国ごとに確認したか
- ガイドの説明は「具体的な店名・場所」まで確認したか
【まとめ】
旅行の楽しみは「想定外の体験」にもありますが、最低限の準備で大きなトラブルは防げます。チェックポイントを確認し、現地での時間を安心して楽しみましょう。
本記事は失敗談と対処法をご紹介しましたが、準備で役立ったこともご紹介しますので、参考になれば幸いです。
(※1)出発空港で預けた荷物が到着空港で出てこないでスーツケースが紛失すること。発見後にホテルまで送ってくれたり完全紛失時に金銭的補償はありますが、時間がかかります。
(※2)ドコモの場合は「WORLD WING」と「世界そのままギガ」の事前契約が必要となります。
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